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英語のアクティビティの場面設定が難しい…
この記事にたどりついた人は、英語の授業で「必然性のある言語活動」を通じて文法習得を目指す、と聞いたことがあることでしょう。
理想は理解できるけど、全ての文法事項についてリアルな場面設定をするのは大変ですよね。
でも、大丈夫。
場面設定のポイントをおさえれば、言語活動は無限に、楽しく、作れる!
そこで、英語教員歴10年の私が、どのように言語活動を組み立てていたか、その考え方と活動例をご紹介します。
言語活動のやりがちなNG例が分かる
場面設定と言語活動のやり方と具体例が分かる
言語活動とは?ゲームとは違う?
そもそも「言語活動」の定義をおさえておきましょう。
言語活動は「実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う」活動を意味する。
文部科学省HP
言語活動は、言語材料について理解したり練習したりするための指導と区別されている。
文部科学省HP
ゲーム・単なる会話練習との違いをまとめると以下の通りです。
ゲーム:英語を使って遊ぶ(伝言ゲーム・ジェスチャーゲームなど)
会話練習:文法の理解、発音の確認のための反復学習
言語活動:目的・場面・状況などを設定したうえで、伝え合う目的や必然性のあるコミュニケーション
言語活動のポイントをおさえて、授業を展開しよう。
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やりがちなNG活動
【対象】中学1年生
【言語材料】I like ○○.
【言語活動】自己紹介
自分の好きなものについて、隣の人と意見交流してみましょう。
I like soccer. How about you?
I like sushi.
I like sushi, too!
このパターンの活動、本当によく行われています。
can→「できること・できないことを話そう」、過去形→「昨日したことを話そう」仮定法→「もし100万円あったら何がしたいか話そう」などなど、挙げればきりがありません。
正直、この活動ならば、soccerをbaseballに代えても全く同じ会話になりますし、相手の話を聞いていなくても適当に相づちを打っていればOKになってしまいます。
一見、習った文法を使って交流活動ができているように見えますが、「好きなことについて隣の人と話す必然性」は生まれていません。
そもそもなんの文脈もなく、突然
ぼくはサッカーか好きです。
と言い始たら妙ですよね。
何の脈絡もない会話練習は、記憶に残りづらく、その場しのぎになってしまいがち。
反対に、文脈の中で覚えた記憶は定着しやすいといわれています。(文脈依存効果)
適切な文脈・場面設定のもとで活動を行うと良いですね。
皆さんなら、どんな場面設定を行いますか?
場面設定の例3つ
同じ言語材料で、どんな場面設定ができるか、考えてみましょう。
【対象】中学1年生
【言語材料】I like ○○.
【言語活動①】うそつき自己紹介
【場面】クラスで自己紹介をします。ひょうきんなあなたは、ちょっとユーモアを入れてみたくなります。
I like~. を使った文を3つ作ろう。
3つのうち1つはうそを入れてね。
① I like ramen.
② I like baseball.
③ I like dancing.
…③!You don’t like dancing.
The answer is…①!
嘘がばれないように話し方に抑揚・工夫が生まれる。聞く側は、答えるために必死で耳を傾ける。
【言語活動②】カウントダウン・1人をねらえ!
【場面】クラスで「好きなものアンケート」をとって集計します。予想を立てながら尋ねてみましょう。
“I like~.”を使った文を作って、クラスの中で何人が共感してくれるか予想しよう。
1人だけが共感してくれるような文も考えられるかな?
30人中30人が共感できそうな文は?
I like curry and rice.
~共感する人は挙手~
28人だね。次の人は28人超えたらアウトだよ。
I like udon.
~アウトになるまで繰り返す~
最後に、1人にチャレンジする人?
I like grasshoppers.
~1人になってもならなくても盛り上がる~
話した先の目的があると、間違いを気にせず話してみたくなる。
【言語活動③】なりきり自己紹介
【場面】来週学校に来るスペシャルゲストが誰か、あなただけが知っています。ヒントを出してクラスメイトに知らせよう。
動物やキャラクター、有名人になりきって好きなものを言ってみよう。
聞く人は誰か当ててみてね。
I like cheese.
I like dancing.
I like Minnie Mouse.
Mickey Mouse!
「自分の好きなもの」より発言しやすいようです。クイズ作成時は検索可にしています。
場面設定と活動のポイント
話すこと自体が目的とならないように注意する。
英語を口にして満足するのではなく、その先の目的を共有し、達成できるようにサポートしましょう。
話す意義・聞く意義のある活動にする。
聞こえない&聞いていない状況でも成立するような活動はNG。自然と話したくなる、聞きたくなる活動にできるのがベスト。
ゲーム性をもたせつつも、活動の目的は外さない。
過度にゲームの結果にこだわって、言語活動がおろそかになっている場合(熱くなって日本語が飛び交う等)には、教員が声をかけて修正しましょう。
正直、英語授業での活動は無限に作れます!工夫のしがいがあって楽しいですね!
「この文法を使った活動が知りたい!」「査定授業がある」「ICTを使った授業にしなくてはいけない」などなど、個別のご相談はインスタのDMにて受け付けています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまで読んでくれた人は、梅雨時期に例年よりも髪が良い感じにまとまるでしょう。
may
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